E.M.2
性能:

全長        914mm
銃身長       622mm
重量        4.66kg
使用弾薬      7mm
装弾数        20
連射速度    600発/分
初速        771m/s

左の写真はアンディさんから
いただきました
ほんとありがとうございます
≦(_ _)≧
 ある日、バイオリンの名人はお供を連れて街を歩いていた。すると、どこからとなくバイオリンを弾く音色が聞こえてきた。バイオリンの名人はお供に「これを止めてみせよう」といい自分のバイオリンを奏でた。ぴたりと止まった。別の日また街を歩いているとバイオリンの音色が聞こえてきた。この前とは違う人のようだ。お供が「この前のように止めてくださいよ」と言った。名人は耳を済ませたが、首を横にふって言った。
 「これは止まらない」

 第2次大戦後の米ソの軍拡競争はまさに「止まらない」だった。そんな最中のイギリスは第2次大戦の戦訓から、歩兵ライフルの自動化を決定。同時に弾薬の開発も行った。当たり前だが弾薬の開発が先行したが(弾が決まらないと銃が作れない).280口径の弾薬を開発し、今度は銃の番となった。エンフィ−ルド造兵廠は4班に分けて各班別個に開発を行ったが第2班が開発したのがE.M.2だった。ブルパップ式で、銃身がかなり長いのは、要求数値が、1800mの射程に90mでの10mm鉄板の貫通だったから、小口径のハンデを初速のアップで補おうとしたんだと思う。後のL85A1の原型なのだが、ディテ−ルは似てないが大まかな部分では似ている部分が多い。ただ、E.M.2にはスコープ下にキャリングハンドルがあり、これはM16を先取りしてたのだがL85A1にはない。またコッキングハンドルとセレクターはL85A1では少し無理な位置にあると思えるのだが、E.M.2はコッキングハンドルは左側面前方にあったし、セレクタもグリップの上にあった(左側面にあるので、上の写真では見えません)。この点がなぜ改悪となったかは謎である。また排莢も右側のみなのだが、これはL85A1にも受け継がれている。

 さて、制式採用間近だったのだが、アメリカの弾薬統一のゴリ押しで.280(7mm)は威力が弱いと一蹴され.308を突きつけた。「これは止まらない」と判断したかは知らないがイギリスも右にならえをして、FALを採用した。結局プルパッブ銃軍用制式の一番乗りはフランスに奪われた。
 軍拡競争が止まるにはさらに40年の歳月を必要とした。