U.S.M16A1
性能:

全長         990mm
銃身長        533mm
重量         2.86kg
使用弾薬   5.56mm×45
装弾数       20・30
連射速度     800発/分
初速         990m/s

左は自作の絵です(^^;)ちゃっちぃ(^^;)

下のライフル競技の解説文はスターチスMasaさんからご教授いただきました本当にありがとうございます
≦(_ _)≧
 M16の開発歴史は1950年代初頭までさかのぼる。当時のアメリカ陸軍のライフルM1ガーランドはたしかに優秀なライフルであったが、重いしセミオート射撃しかできなかったので火力不足を痛感していた。そのためアメリカ陸軍は積極的に次期主力ライフルを探していたという。自分の勝手な想像ながら、当時は朝鮮戦争があり、敵の北朝鮮軍がAK47を使ったためにフルオートライフルが欲しいと思ったのかも知れない。(少数ながら、北朝鮮軍はAK47を使用していたらしい)これに同調した訳ではないが、フェアチャイルド/アーマライト社に勤めていた、ユーシン・M・ストナーは、この頃、M16の原形AR-10というライフルを開発していた。形的にもM16と似ており(コッキングレバーがキャリングハンドルの中にあるのが大きな違い)機関部をアルミで製作して、重量も3.4キロほどとM1ガーランドに比べて約1キロも軽量化に成功している。同時期にアメリカ陸軍造兵廠(スプリングフィールド造兵廠)ではM1ガーランドをベースとしたフルオートライフルM14を開発した。保守的なアメリカ陸軍は後者を1957年に制式採用し、M1ガーランドと急速に交代されていった。AR10が革新的すぎたので採用されなかったというのが事実ではないといえば嘘だろうが、試験中に銃身破裂事故を起こし「耐久性に問題あり」と判定されたからだというのが定説になっている。使用弾薬は.30-06(7.62mm×63)から.308ウィンチェスター(7.62mm×51)にやや弾の威力は落とされたものの、実射での性能比較ではほぼ互角とされていた弾薬だった。だだっぴろいユーロ平原ではこれでワルシャワ・パクト(ワルシャワ条約機構)軍のAKには優位に立てると考えた。

 M14ライフルの採用後もアメリカ軍はアーマライト社などに5mmから7mm程の弾薬を使用したライフルを採用するとほのめかす事をやっていたようで、アーマライト社もレミントン社の.223口径バーミントタイプカートリッジ(5.56mm×45弾。後のM193)を使ったAR10を製作していた。小さくするため、開発はスムーズに行われ、1958年には完成し、このライフルはAR15と命名された。アメリカ軍はそれでも発注の確約を示せずやがて、アーマライト社の経営上の問題から、AR15の製造権はコルト社に譲渡された。コルト社の戦略としてはアメリカ軍への制式を狙ったものではなく海外への売り込みを狙ったと言われているが、これによりM16は息を吹き返す事となった。

 1961年10月には緊張状態にあったベトナム共和国(以下、南ベトナム)へと試験的に送られた。南ベトナム軍からは非常に好意的に受けられ、1000丁のAR15を発注したという。この頃になるとアメリカ軍でも注目を受けるようになった。1962年には初のアメリカ軍による発注を受けるものの、相手は空軍であった。空軍では基地防衛用にM2カービンをつかっていたが、カービン弾では威力不足であり、.223口径(余談ながら.222口径とする文献もある)の高速弾はそれの後継には十分であったために採用された。重量もほぼ同じで威力が増したために空軍兵士からの評判はよかった。8500丁が発注されたが翌年にはさらに19000丁が追加注文された。AR15はこの時にM16と命名された。ただ、このライフルの不幸は、本格的な陸戦をしない部署に採用されたため潜在的な欠点をそのまま引きずり陸戦部隊に採用された。その欠点とは、コッキングハンドルがボルトと連動しないので、ボルトが完全に閉鎖しなかった場合は当然ながら射撃ができない。コッキングハンドルとボルトが連動する銃ならば、ハンドルをそのまま押せば済むけど、M16のように連動していない銃器であれば、バラしてから対処するしかない。競技だったら直す時間は与えてくれるし(最大15分)銃の交換だってできる。余談ながら競技では銃身破裂などの重大事故は即失格だけども、半閉鎖状態ならば直すなりできる。しかし戦場では言うまでもないがそうはいかない。交換する銃なんぞあるわけないし、たとえ携行可能だったとしても、ただでさえ重い装備にまた予備など持つはずもない。修理にしたって、一刻を争う戦場では、特に1秒の油断が生死を決める戦場では大問題だった。指揮官にしたって、銃器故障による戦闘不能は戦死と同様である。素手の兵士が何の役に立とうか。1964年に陸軍で85000丁のライフルを1丁あたり121ドル84セントで納品するようにと指示して、空挺部隊と特殊部隊で試験的に運用していた。この時「XM16E1」と命名された。Xとは試作という意味である。戦場にこのXM16E1を送ると、半閉鎖状態の問題が多発した。これにはいろいろな理由があって整理すると

1:ベトナムは高温多湿のため、腐食しやすい
2:ほとんどの兵士は手入れをしなかった
3:火薬がメーカー指示とは違っていた

となる。1の対策として、コルト社はチェンバーをクロムメッキして腐食に強くした。2は手入れをしなかったのは事実だけども、意外な事にクリーニングキットが支給されておらず、したくてもできなかったという事だった。そのため、この件はクリーニングキットの支給と兵士に教育を施して、クリーニングをさせる事で解決した。3は火薬メーカーが燃焼がクリーンで一定な圧力があった「IMR4775火薬」ではなく能力は劣るけど安い「IMR846ボール火薬」が使われていた。後者の火薬は本国での試験でも問題が起こっており、コルト社は前者の「IMR4775」火薬を使用するように命じたにもかからわず、改善されていなかったのである。コストに目が眩んだのだろう。1966年までに約1憶発の弾薬が消費されたが、うち約9割はこの安価な火薬が使用されていた。それが改善されても半閉鎖状態が完全に無くなった訳ではない。そのためボルトを押す装置を、銃の右側(銃の後方から見て)に付けられた。こうして生まれたのがM16A1である。

 話はさかのぼって、このAR15がテストされていた頃、アメリカ陸軍ではM14に変わるライフルとしてSPIW(スペシャル・パーポス・インディビデュアル・ウェポンの略)フロジェクトを発足。これには陸軍造兵廠や民間の企業もいくつか参加した。陸軍としては伝統あるライフル開発を1民間業者に奪われたくないという意地があったのかは分からないが、少なくともAR15つぶしの意味合いがあった。弾を小型のダーツ弾を3発同時に発射して広範囲の敵はグレネードで対処するというコンセプトだったものの各社の案が出されてもどれも重量過多であり、実用に耐えられるものはなかった。結局AR15の優位は崩れず、1960年代半ばにはSPIWプロジェクトは破棄された。
 こうした裏事情もあったが、XM16E1は1967年3月26日をもって制式に採用された。その後は急速に交代が進められ、敵のもつAK47ライフルよりも互角かそれ以上の性能をもつとされた。ベトコンも一部の者は重いAK47よりも捕獲した軽いM16A1を好んだといわれている。特に小口径高速弾の威力は共産国側もかなり注目したようで、ソビエトも1970年代中頃には7.62mmから5.45mmに変えたAK74ライフルを一気に更新した。M16A1ライフルはベトナム戦争があったから採用されたとも言えなくはないが、たしかに大国間の戦闘では威力のあるライフルの方がいいだろう。しかし米ソ両国が予想していたからではなかろうが、大国間の戦いは結局起こらず、局地戦が主体となったため、小口径弾使用のライフルは世界的に広がっていった。小口径高速弾の先駆といえるM16は、これからも銃器界の歴史に刻まれ続けるだろう。


 M16A1の特徴としては、まず外観でしょうか?これまでのアメリカ軍のライフルと一線を離れた形と言える。作動方式は、通称リュングマン方式といわれる、ガスをそのままボルトに伝えて作動させる方式で、大抵のオートマチックライフルはガス圧を利用して、ピストンを概してボルト操作行う方式で、このリュングマン方式の利点はピストンがいらないので、構造を単純にできる点とピストン分の重さが軽減される事です。欠点は、このガスチューブをちゃんと掃除してないと作動不良を起こす事で、上でも述べたけど、いい火薬をつかって一定の圧力を与えないとちゃんとした作動が期待できないという事です。あと、この銃の特徴としてボルトプレッシャーがついているという事で、上でも述べていますが、半閉鎖状態になったらここを押して閉鎖状態にできるというものです。設計段階ではこれは全く考えておらず、設計者としては
「そんな半閉鎖状態で無理矢理弾薬を押し込むのは銃によくない」
という事だったらしい。使う兵士に言わせれば
「今撃たないとこっちが死んでしまうんだ!」
みたいな切実な願いがあったのも事実。
 このボルトプレッシャーの用途としては他にもあって、大抵のライフルは装填する時にコッキングハンドルを引いて勢いよく放すのですが(そうしないとうまく薬室に薬莢が入らない場合がある)この時に大きな音が出る。普通ならともかく、待ち伏せ時に音を立ててはいけない状況でコッキングしていない場合はコッキングハンドルをゆっくり引いて、ゆっくり放してボルト閉鎖はボルトプレッシャーをつかってゆっくり閉鎖するという手段にも使えます。
 ベトナム戦争以降はマズル部が三つ又の構造をしてたのが、小枝に引っかかりやすいという理由で鳥かご型になった。大抵の場合はこの三つ又マズルをベトナム型といいます。
一時期アメリカ警察の特殊部隊"SWAT(Spetial Weapons And Tacticsの略)"でも採用されていましたが威力が強すぎるという理由でMP5を採用しましたが、狙撃タイプのM16は今でも使用されています。
 今では(2000年1月現在)アメリカ本国ではM16A2やその後継のM16A3に取って代わっていますが、多くの国ではまだまだ現役で使用されています。