性能: 全長 1511mm 銃身長 1102mm 重量 13.5kg 使用弾薬 7.92mm 装弾数 6発 左図はATRさんの作品です。 下図はAndy太郎さんからいただきました 両方ともありがとうございます ≦(_ _)≧ |
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第一次世界大戦中期にイギリスは初めて戦車を投入した。結果は成功とはいえなかったものの(エンコやキャタピラ破損などが多かった)歩兵にとっては脅威であった。ライフル弾程度なら弾き返すから、撃破の手段がなかったのである。ただ、当時の戦車はトロかったし装甲もライフル弾程度にしか耐えられなかったのでに砲撃に弱く(今の戦車も上部装甲は薄いので上から着弾する間接砲撃には弱いけど)砲兵に頼んで射撃してもらえば恐くない事がわかった。しかしいつでも大砲の支援を受けられる訳ではないし、撃破可能といっても歩兵にとっては脅威なのは変わりがなかった。そこで歩兵でも運用ができる対戦車兵器が開発されたのである。 戦車を撃破する方法としては装甲を貫くか足回り(キャタピラ)を狙うという2つの手段がある。足回りを壊す方法としては地雷があるものの、これは、当然ではあろうが、相手が踏んでくれないと効果がなかった。守勢ならともかく攻勢主体では効果はない。そこで装甲を貫く方法だけども、当時としては運動エネルギーに頼るしかなく、初速の早いライフルが開発された。これが対戦車ライフルだった。
性能は良かったものの、所詮は装甲の厚いソビエト戦車の敵ではなかった。貫通能力は300mで20mmの装甲を貫ける程度だったので装甲車やBTシリーズの戦車なら側面からなら撃破可能だったろうけどT-34やKV-1では側面でも撃破は難しかった。そこで歩兵は戦車に肉薄し地雷をキャタピラに投げ込む行為をしなければならなかった。一般に戦車に肉薄し地雷棒をたたきこむのは日本陸軍の専売特許とされているが、ドイツでも有効な戦車兵器が登場する1942年中頃までは似たような行為をしていた。このMSS41の後継の威力のあるのを開発していたが、1942年になってようやくムダだという事がわかり対戦車ライフルは全てが開発中止となった。 しかしこのMSS41は他の対戦車ライフル同様にライフル擲弾を発射する装置として使われ出した。そもそもが威力のある対戦車ライフルなので普通のライフルで発射するよりはより遠くに飛ばせて、兵士からはそこそこ評判が良かったとも言われているが、もはや対戦車ライフルではなくなっていた。その価値がゼロになったのだ。 上で戦場に送られたと書いてはいるが、採用数はごく少数なようで、当時の記録写真ではまず見かけない。しかし、アメリカ軍に捕獲されてテストされている写真がいくつか見受けられるため実際に使われてはいたらしい。無論だが、戦果の類は聞かない。 また、上のイラストを見てもらえればわかるけども、MSS41はブルパップ式である。また、グリップと弾倉位置がかなり接近しているためにそのままではグリップが握れないので弾倉が(銃を上から見て)右に傾いているのも特徴の1つだった。斜めにするのは製作上不利で(作りにくいから)コストもかかったろうが、どうせ高価な銃器だったから問題はなかったのだろうか?。対戦車ライフルは初速を上げて少しでも厚い装甲板を撃ち抜く必要があるため銃身を長くする必要があった。そのための産物なんだろうが、歩兵遂行用ライフルとは違って元々長い対戦車ライフルなので照準線が短くなる事はなかったし排莢の問題も特定の射手が使うのでさほど問題ではなかったと思う。しかし、当時の重機関銃よりもやや重い程度で強力な対戦車ライフル弾を撃ち込んでいたので、射手への反動は相当なものだったろうと思われる。ただ、紙の上の計算なら、Kar98kと比較した場合、4丁分の重量で倍の反動なのだから、それなりには反動がこなかったのではないかとも想像はされる。当然紙の上での計算結果なので実際には良くわからない。 対戦車ライフルなので、手に持って立射などはしないから、2脚が当然ながらついている。他の対戦車ライフルの2脚と違っているのは、このMSS41のはどうやらMG34の2脚を多少いじって採用しているらしい。そのためか、他のドイツ製対戦車ライフルの2脚と違って、2脚下に地面に突き刺す針のようなものがついていない。また、この2脚は一旦内側に折りたたんで、前に2つの脚を折りたたむ。固定は銃身下真ん中らへんの▽の金具で固定する。ようは機関銃のそれと操作方法はかわらない。 |