H&K G3
性能:

全長      1030mm
銃身長     450mm
重量      4.75kg
使用弾薬 7.62mm×51
装弾数      20
初速       800m/s
発射速度    600発/分

左は自作です(^^;)
とある同人ゲーのキャラですが当然ながらこれにはG3は出てきません(^^;)
シチュエーションとかは気にしないように(^^;)
良く見たら、スリング掛けと、コッキングハンドルとか書き忘れてるな(;_;)
 銃が後込め式となって、一番の問題だったのが閉鎖の問題だった。前込め式の時は後ろはネジ(ボルト)で固定していたためさしたる問題は生じなかった。ただし滑腔銃身からライフル銃身になっていったし(前込め式のライフル銃身もあったけども、前から込める必要があったため先っちょのほうを少し太くする必要があった。後込めならその必要はなく、ライフル回転の利点を十分に発揮できた)、また銃剣が一般化してくるとどうしても後込めが有利だった(前込めだと銃剣がジャマする)。またこれが決定的な要因だけども、後込めは装填が簡単に行えるため火力の増大が可能で、中世から近世への戦争戦術の転換方針であった火力の増大には必要不可欠だった。閉鎖方法はいろいろな方法が試され、結局はモーゼル式ボルトアクションで完成を見た。ただ、自動銃器になると銃弾発射の力でボルトを前後させないといけないので、また新たな方法が必要となってきた。単に発射反動を使うのではダメ。強烈なガス圧が射手(自分)に降りかかることになるし、その状態でボルトを動かすと銃自体が壊れかねない。銃弾が発火して銃口から飛び出るまでわずか0.001秒にすぎないのだが、そのわずかな時間をいかに閉鎖するかでいろいろな銃器設計者が知恵と努力を惜しまなかった。

 1945年3月、モーゼル社のルドウィック・ホルグリムラーの設計による、反動利用のローラーロック閉鎖機構を搭載した突撃ライフル、"Stg45"の試作銃を完成させた。だが2カ月後には敗戦となってしまった。しかし戦後はスペインで(スペインは第2次大戦はずっと中立を通した)開発が続行され(ホルグリムラーはスペインに亡命した)セトメM58を完成させた。それを参考にして作られたのがG3だった。
 ローラーロッキング閉鎖方法は別項を参照してほしいが、ガス圧を利用しない、反動利用の閉鎖解除方式だった。反動利用の閉鎖方式は過去にもショートリコイル方式がある。これは拳銃はもとよりMG34やMG42などの機関銃にも採用されたポピュラーな閉鎖方法だった。ショートリコイルという名の由来はショート=少し、リコイル=反動、というように銃身が少し前後して閉鎖解除を行うもので、連続射撃中は当然ながら銃身が前後した。銃身が軽くフルオート射撃を行わない拳銃ではこれで全く問題はないのだが、銃身が重い機関銃でこれをするのはあまり効率的とはいえず、今ではガス作動式が大半を占めている。

 G3の名称は、Gはゲベールの略で、日本風にいえば3型ライフルみたいになるのだろうか。ただし、G3の名前の由来は、新生ドイツでの3番目に採用されたからではなく、1950年代末期にドイツ(当時の西ドイツ)での次期制式の主力ライフルの選定時にFN社のFALとSIG社のSG510とセトメ社のM58が選ばれて、それぞれG1、G2、G3と仮に命名されていた。結局はM58が選ばれて、仮名称のG3がそのまま制式名称となった。そのため、西ドイツの制式ライフルにG1とG2という名前のライフルはない。生産を行ったのは当時無名の銃器会社であった、H&K(ヘッケラー&コック)社であった。名前のように、ヘッケラーさんとコックさんの合資会社であり、設立も1949年と新鋭であったんだけど、彼らは元々はモーゼル社の技師であり相当な技術はあった。ホルグリムラーもそれを承知でH&K社にライセンス生産を許可したのかもしれない。

 海外派兵を禁止しているドイツでは当然ながら自軍による実戦使用はしていないが、G3自体は各国に輸出され、たとえば1979年のイラン革命では革命軍によって大量に使用されているし、インドネシアの東ティモール独立問題ではニュースでは比較的頻繁にこのG3が出ていた。パキスタンやトルコなど制式採用している国も多く、今でも立派に現役を守っている国もいくつかある。
 バリエーションとしては空挺部隊用なのかストックを伸縮式にしたG3A4がある。この伸縮式はM16やAK74などの折りたたみ式と比べると、スペースを取らないという利点がある。ただし実際に操作してみると分かるけども、折りたたんでの射撃時に手首がストックの床尾板に緩衝するので使いやすいとは言いがたい。まぁ、強装薬のG3をストックなしで射撃するとは考えられないのでこれでもいいのか。あと、狙撃型のG3SG-1が存在する。これはG3A3の検査工程で精度がいいのを選りすぐって着脱式のスコープを取りつけてチークピース(頬当て)を追加したものだけども(他にも床尾板の変更やハンドガードの変更などもある)、部隊からの評判はいいという。H&K社は狙撃専用でPSG-1やMSG90といったライフルも用意しているのだけれども、上で書いているようにG3自体、ローラーロッキングの採用で、反動がまっすぐくるので初弾命中率がいいせいもあるし、あとこれが重要なのだけども、いろいろな戦場で使われて実績があるという点も大きい。そりゃそうだろう。実績がないライフルを片手に戦場に出向き、それに命を託すには不安だというのは想像に固くはない。
 本国ドイツ国内ではすでに後継のG36Cにバトンタッチしているが、G3は世界のどこかで21世紀になっても使いつづけるのだろう。
 ちなみに、当初はG3の名前だけだったけど3度の改修ないし改良が行なわれG3A3というライフルが誕生した。普通に我々が「G3」といえばこの「G3A3」を指す。


 外見としては、マッチョなドイツ軍人にあわせてか、ストック後端からグリップまでの長さが他国のライフルと比べてやや長めであるという事である。その上に全長を突撃ライフルなみに切り詰めているので、バレルの長さは限界以上とも言える450mmとかなり短くなっている。これでは相当反動がきつく、また発射炎が銃口からかなり噴き出しそうな気がしないでもないが(バレルが短いとバレル内で燃焼しきれない火薬が発射炎となって、自分の射撃位置を暴露しやすくなる)、どうも問題はないらしい。当然、強い弾薬を使用しているので、フルオート射撃は辛い。ただ、ローラーロッキングを採用しているため、反動が真っ直ぐに自分にむかってくるため、初弾の命中精度はいい。ガス式みたいに下なり上なりにガスが吹かないためでもある。無論反動軽減とは話は別で、やはり反動は凄い。スタンディング(立射)で撃つと体が後ろにもっていかれる。
 また、コッキングハンドルが銃の左前方にある。外見でみると結構使いにくそうだけど、実際に手にもってみると、結構使いやすい。ただし、左利きの射手には辛い。またこのコッキングハンドル後端に切り込みがありハンドルを後ろまでもっていってそこに入れこんで固定ができる。これは、G3は弾を撃ち終えてからそこの切りかきにコッキングハンドルを入れこんでおいて、弾倉交換をして、コッキングハンドルを下に叩けば装填完了となる・・・という説明もあるが、実際の戦場ではそういう手間な事はしないのは目に見えている。弾倉を変えて、ガッチャン!とコッキングハンドルを引けば済む問題だから。G3はボルトとコッキングハンドルが連動しないので、ボルトが前進しきれていない状態になった場合とか、コッキングハンドルをそこの切りかきに入れてボルトを後退状態で固定していろいろと内部を掃除したりするためだろうと考えられるが実際の所はどうなのだろうか?。M16ライフルのようにホールドオープンしないのは内部にゴミが入らないためだろうけども、弾切れの際に射手に知らされないとなると結構問題ではなかろうか?ライフルは普通はフルオートでは撃たないから、たとえば弾切れ状態のG3を持って、戦場を駆け巡り、不意に敵に遭遇した!、構え!、トリガーを引いた!、カチャンと空しい撃針の落ちる音・・・という状況も有り得なくはないだろう。もっともAKシリーズもホールドオープン装置はないのでそれでも問題ないのか。
 セレクターは大型で手袋をしていても楽に操作ができる。上がSAFEで少し下げるとSEMI、下げきるとFULLになる。ただ、セレクターレバーが結構下がるので、フルからセーフに戻すには手の小さい人では少々苦しい感じがある。