写真ないっす(;_;) | 性能: 全長 1105mm 銃身長 577mm 重量 4.20kg 使用弾薬 7mm×57 装弾数 8発 初速 760m/s |
銃にかぎった事ではないが、物には大きかれ小さかれ、必ず欠点がある。名銃と呼ばれる物はその欠点が許容できるかできないかにある。 今の情勢では考えられないが、19世紀はアメリカとメキシコは領土を巡って戦っていた。工業力に勝るアメリカはどんどんとメキシコの領土を侵食していった。そんなさなかにこの銃の設計は始まった。19世紀末にメキシコ軍軍人のモンドラゴンが設計を行った。しかし、当時のメキシコ国内の工業水準はあまり高くはなく、自動ライフルは当時としては高度な工業水準を要求していたので、工業水準が高かったスイスに製造を依頼した。完成したこのライフルは早速、メキシコ軍によって採用される事となった。名前からして1908年に採用されたと思うのだが、19世紀末には採用されていたという文献もあり判然としない。 当時の小銃の口径は8mm前後が主流だったのに対し7mm口径の銃弾を採用しており、威力こそ劣ったものの、連射時の反動も無理がなかったという。快調に作動し、当時としては最高傑作の自動ライフルだった。 しかし、思わぬ欠点があった。値段が高かったのである。数をそろえる必要がある歩兵用ライフルに、この欠点は致命的だった。メキシコ軍でもすべての兵士に買い与えるほどの余裕はなかった。焦ったのは製造を行っていたスイスのSIG社だった。メキシコ軍の発注数量だけを生産して引き渡すのではとても採算が合わないと判断し、各国に売り込みを行った。しかし当時は自動ライフルの必要性は各国とも感じておらず値段が高いという事もあり売れなかった。とはいえ、ドイツ軍が航空兵の自衛用に採用した。当時の飛行機は固定機銃がなく、丸腰だった。拳銃も使われていたものの、威力がなく、かといってボルトアクションライフルでは、発射のたびにボルト操作をする必要があり、当然ながら狭い飛行機の中ではこの操作は大変に苦痛だった。高いとはいえその欠点をあまりある性能だったから採用したのだろう。 結果的に第一次世界大戦で使用された形跡はない。やはり高速で飛ぶ飛行機には機関銃でないと銃弾を当てる事はできなかったからだろう。 とはいえ、このモンドラゴンM1908は後々にドイツ陸軍の自動ライフルの設計に少なからぬ影響を与えているのは事実である。 |