U.S.M203
性能:

全長      380mm
銃身長     305mm
重量      1.36kg
使用弾薬    40mm
装弾数        1発




M203を右側面から見た図
当然ながら本物では
ないです(^^;)
↑XM148。黄色の部分が引き金。
当然だがこの説明用に黄色く塗っからで
実際の色は黄色ではない。
XM148はこのように右側面に引き金があるが故に
本採用されなかたのだろう。
 ライフル用のグレネードが昔からあった。ただし、その殆どは銃のさきっぽに装填して空砲で撃つタイプだった。そのためややこしく、手間とる上に実弾をつかったら運が良くてパープルハート、わるけりゃ靖国直行という道をたどった。だからといって、ライフルグレネード(小銃擲弾)はいらないかといえばそうではなく、めまぐるしく状況が変わる戦場ではこの手の兵器は必要不可欠だった。アメリカ軍は第2次大戦直後までこの種の兵器開発にはあまり熱心ではなかった。理由は、歩兵の支援火器は大砲か飛行機で、第2次大戦頃のアメリカ軍の戦術は、強大な敵に遭遇したら一旦部隊を引かせて大砲や航空機で徹底的に砲撃や爆撃を行ってから前進する戦術だったから熱心にならないというか必要がなかったからと言える。しかし太平洋戦線での日本軍の擲弾筒の存在を知ると、この手の兵器の便利さを知ったもののさほど興味を示さなかったが、朝鮮戦争では、敵の北朝鮮・中国連合軍が砲撃や爆撃を避けるために敵に極力近づいて攻撃を仕掛けてきたため(同士撃ちが恐くて砲撃や爆撃をさせないように)歩兵用グレネードの必要性を痛感する事となった。こうして生まれたのがM79グレネードランチャーだった。M79の詳細の説明は別項に譲るとして、M79は優れていたものの、欠点がないわけではなかった。まずは、M79射手は自衛用のライフルは重量過多で装備させなかったので(兵士は当然嫌がった)護衛の兵士を付けるか自衛用の拳銃を所持してた。それは欠点とはいえないかもしれないがM79射手は当然敵の側面攻撃が恐がる。あとはエジェクターがないので発射後の薬莢を手で抜かなければならなかった。射撃後の薬莢は熱いので手袋をしないとすぐには取れず当時使用されていたベトナム戦域では手袋使用など暑くていやだったろうから発射速度の低下は免れなかったと言える。そういった欠点を改善したのがM203グレネードランチャだった。
 M203のルーツはアメリカ軍が当初XM148と名付けられていたグレネードにある(右写真参照)。このXM148がいつごろ開発されてるかは知らないが恐らく北爆開始前後と思う。ベトナム戦線に投入されたが信頼性に欠けるという欠点があった。このMX148はあくまで実験用で、M203と違ってフォアグリップが独立して付いていたし(M203はマガジンをグリップとして撃つけど)トリガーは銃のトリガーの下につけられた。そのためにトリガーバーが長くなりどうしても信頼性がなかったのだろう。そのため、GLAD計画(GLAD=グレネード・ランチャー・アタッチメント・ディベロップ)がスタートした。そしてM203グレネードランチャーが生まれた。
 M203はM16やXM177のハンドガードを取り外して装着する。弾の装填はスライドを前進させてバレル後方から装填する。スライドを後方に下げれば自動的にトリガーがコックされ、あとは引き金をひけば弾が発射される。当然だが付けたままでも銃弾が射撃できる。薬莢が割れたりして排莢ができない時はM16用のクリーニングロッドを使って突っつき出す。また、装填したけど結局使わずじまいでその弾を出す時なんかは注意しないといけない。
 照準は水準器を使用した照準をキャリングハンドル横に装着する。最大450mまで叩き込める。しかしこの照準は手間取るので実戦ではあまり使用されていないらしい。M203には他にもハンドガード上に照準器があり、大抵はここを使用して射撃している。M203はM79同様反動があまりないので(初速がトロいから)肩付け射撃で行うのだが、この照準器での最大射程(250m)を狙うとストックが完全に肩から外れる。こういう場合は脇に抱えて撃つのだろうか?ちなみに、反動が少ないといっても、ライフル弾射撃よりは反動がくる。
 装着すれば重くなるもののM79のようにべっこで持つよっかはかさばらないしM79よりは1キロ以上も軽い。そのためM79にとって代わった。とはいえグレネードランチャー射手の負担が大きいというのは代わりはなかった。むしろライフルが増えた分負担が増えたと言える。しかし射手もライフル射撃が可能な上になくてはならない貴重な戦力として誇りをもっているのだろうか?
 あと、このM203グレネードランチャーには銃身(砲身というべきか?)が短いタイプも存在する。それが右写真だけども、これはM4カービンなどの短いM16用らしい。オリジナルと比べて最大射程が多少低下するものの(短いタイプの最大射程は390m)実戦ではさほど問題はないように思える。