銃弾の酸素供給源

銃弾を発射するときは装薬に点火して装薬を燃焼(爆発)させて銃弾を発射します。物体が燃焼するには、燃焼の三要素が必要です。

「燃焼物」「点火源」「酸素」

の3つです。火薬の燃焼物はそれ自身なので問題ないですし、点火源は雷管となります。では酸素は?という問題が出てきます。薬莢内部は密閉されていますし、いくらエアスペースがあるからといってもその容量では酸素量もたかが知れています。
 実は酸素は火薬の中に入っています。厳密には硝酸の中に入っています。濃硝酸分子4つが化学変化を起こして二酸化窒素分子4つ、水分子2つ、酸素分子1つが形成されます。この酸素分子が燃焼の三要素の一翼を担うのです。
 火薬内部に酸素があるのですから、銃器は宇宙空間でも水中でも撃てます。ただし、宇宙空間で撃った場合、作用反作用の法則で撃った人間は反対側にすっとんでいくことになりますし、水中で撃っても銃弾の威力は水の抵抗で1m程度先でも人間を殺傷する威力はなくなります(拳銃弾の場合)。

銃を撃った後に掃除しないとサビるのは水分子が形成されるのが理由の1つです

 

↓図解するとこうなります。




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