エアコッキング方式の手順


Lesson1
 左図はエアガンのコッキング式の模式図です。ちなみに昭和61年発売のLS(すでに倒産)のガバメントを参考にしています。古い(笑)。
 トリガーバーやシアやバレルは実銃にも存在しますがピストンやパッキンは実銃には当然ながらありません。パッキンはBB弾保持用でこれがないと俯角(水平よりも下に向ける事)をかけた際に弾がころげ落ちてしまいます。


Lesson2
 トリガーを引くとシアを押してピストンとのつっかえを開放します(エアガンによってかなりの違いはあります)。左図ではこの直後にピストンがバネの力で押される事になります


Lesson3
 ピストンが前進すると空気が圧縮されますのでBB弾とパッキンの摩擦がこの空気圧に耐えられずにBB弾が前進します。この空気圧はエアガンにもよりますが、だいたい2.5〜6気圧ぐらいです。バネのテンションが高いほうが空気圧が高くなり、当然ながらBB弾の初速も速くなります。


Lesson4
 ピストンは前進しきってBB弾も発射しました。あとはBB弾が目標に向かうまで見守るだけですね。次弾装填は手動でコッキングハンドルないしスライドを引いて次弾を装填となります。図では表していませんが、コッキングハンドルないしスライドを引くとシリンダーが後退して次弾のBB弾をパッキンまで押し込みます。いっしょにピストンも後退しますが、これはシアで止められて上のLesson1の状態となります。そして次を狙うワケですね♪




注意点1
 ただし、エア式は注意する点があって、ポンプ容量がバレル容積に比べて小さい場合、BB弾をエア圧で押し切る前に工程を終えてしまうと、バレルとの摩擦で速度が落ちてしまいます。極端な場合、BB弾がバレル内部で止まってしまいます。


注意点2
 逆にポンプ容量が大きい場合、バレルからBB弾が出た直後でも空気圧でBB弾を押す事になります。これが変則回転になってしまいあらぬ方向へBB弾が飛んでいく事になります。BB弾自体は相当軽い物質なのでこの影響はバカにできません。
 理屈の上では”ポンプ容量=バレル内部容積”がベストなのですが、実際にはBB弾とバレルとの抵抗および、BB弾がバレル内部を通過中の際の空気抵抗が加味されるのでポンプ容量は大きめがベストといえます。こればかりは試行錯誤が必要です。
 逆にいえば不必要に大きいポンプは単なるムダという事です。



というわけで、空気圧は一定していますから、ポンプ容量がすごくベストだったら



(゚д゚)ウマー
↑実話(^^;)
○崎さん、故意に狙うのはやめて(;_;)

です(謎)



 昔のエアガンはストライカーによる突付き出し式・・・ようは銀玉鉄砲・・・が主流でしたが、このポンプ方式が出現すると、より強く、より遠くへ弾(当然おもちゃの弾)を飛ばせるようになりました。ここから、エアガンブームそしてサバイバルゲームブームが始まったといえるでしょう。しかし、この方式は1発1発しか撃てず、ようはフルオート射撃可能な銃をモデルにしてもそれができませんでした。一時期フルオートエアガンは夢のシステムとも言われて、懸賞金付きでアイデアを募集した企業も現れました。結果的に出現したフルオートエアガンは別項のBV式と呼ばれる外部ソース(ガス)を用いた仕組みでした。このエアコッキング式が無くなる事はありませんでしたが、フルオート式の出現はこのエアコッキング式を一気にクラシックエアガンとしてしまいました。BV式は命中精度が極端に悪いという欠点もありましたが、エアコッキング式はその仕組み上フルオートにすることができず、狙撃専門となりました。それを一気に解決したのが東京マルイの電動ガンでした。仕組みはエアコッキング式と大差はなく、コックを手動でするかモーターでするかの違いで、これによって命中精度の高いフルオートエアガンが誕生しました。ただし、電動ガンではシアが存在せず、ギアが回りきった時点でピストンが開放される仕組みになっています。当然、トリガーバーも存在せず、電動ガンのトリガーは単なる電気スイッチのON・OFFの役割となっています。この電動ガンの出現とホップアップの仕組みで既存のBV式ガスフルオートは完全に消滅しましたが、このエアコッキング式はまだ健在です。理由は構造が単純なので価格が安いことと、構造の単純さがカスタムを容易にして、より命中精度を高める事が可能な事から精密射撃および、サバイバルゲームでの狙撃ライフルとして今でも使われています。

 余談ながら、上ではポンプ容量の善し悪しで命中精度が大きく左右すると書きましたが、命中精度の要素はほかにもあります。たとえばバレル内部にキズが入っていても影響しますし、あとこれも重要なのですが、発射時にパッキンから一気にBB弾が抜けきることも重要です。たとえばどこか一点のパッキン部が硬いなり柔らかいなりしていたら、パッキンからBB弾が抜ける際にそれが抵抗となって、BB弾を回転させてしまうからです。




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