MINIMI
種類:軽機関銃

性能:

全長       1040mm
銃身長      465mm
重量       6.85kg
使用弾薬  5.56mm×45
装弾数     30発弾倉
        200発ベルト
発射速度   700発/分
 第2次大戦時のアメリカ軍は分隊単位で使用できる火器、BAR(BAR=ブローニング・オートマチック・ライフル)を装備していた(TV映画のコンバットで、カービーが持ってましたよね)。やがて、保併用ライフルが自動化されフルオートもできるようになると分隊支援火器はいらなくなった・・・。と思われていた。

 実際、アメリカに限っていえば、M14ライフルの採用でBARは一線から退き、M60機関銃とのコンビでベトナム戦争初期を戦っていた。海兵隊はM14を分隊支援火器として使用しており、相当に役だったと言われる。しかし、ベトナム戦争半ばにM14ライフルはM16A1に主力の座を奪われた。そのためM16A1ライフルとM60機関銃という弾薬の異なる混成で分隊は編成されていた。M14ライフルからM16A1ライフルに主力ライフルが変わった詳細な理由はこれらの銃器の説明に譲るとして、やはり、弾薬が異なるといろいろと不都合があったようで、またM60は分隊支援火器としては威力は申し分なかったが、重すぎた。そのためM60機関銃は「Pig」(豚)というアダ名までついた。もっとも必要以上に威力があり、分隊を支援するのならM16A1の弾である5.56mm×45弾でも別によかった。最前線で使うからである。そのコンセプトから、FN(ファブリック・ナショナル)社ではミニミ軽機関銃を開発していた。

 アメリカ軍ではベトナム戦争でアメリカが停戦に合意した翌年の1974年にはこのSAW(分隊支援火器)のトライアルを開始するようになった。ミニミのほかにもいろいろな機関銃がテストされたものの、最終的にこのミニミが選ばれる事となった。1980年5月にミニミは仮制式となりSAW XM249(XMは本来は試作を意味する)と仮に命名され、1982年1月には制式採用され正式にSAW M249と命名された。

 また、日本でも89式小銃の採用以降はやはり分隊支援火器が別途で必要となり、このミニミが選ばれ、住友重機械工業でライセンス生産されている。中期防では1280丁の調達を予定しているようだが、ライセンス生産するとどうしても値段が高くなるので、この計画達成は不可能だと言われているので、最終的には何丁を配備するのかは分からない。

 他では、本国ベルギーの他にも、オーストラリアやカナダやイタリアなどでも制式採用している国は数多い。

 ミニミ軽機関銃の特徴としては、重量が軽い。軽いとはいえ弾をいれたら約8キロであるが、それなりに、つかいやすい。銃手は200発ベルト弾を専用アモボックスに収納し、M16A2用30発弾倉を2個(4個?)を装備して実戦に挑む。ライフル弾倉を装備する理由は、このミニミ軽機関銃はM16シリーズ用弾倉でも射撃が可能だからである。これは大きなメリットとも言える。たとえば弾がなくなったら歩兵から弾を調達できるからである。アメリカ軍に限っていえばM16A2はフルオート射撃ができないから、大きな強みである。この構造がアメリカ軍採用のきっかけとなったとも言える。ただし、あくまで緊急用だが、他国の分隊支援火器では、普通のライフルのバレルを長くした程度が多く、ベルト給弾式でないため、普通のライフルと大差がないとコキおろしているのもあるが、ミニミはこの点は優れているといえるだろう。

 銃単体の特徴としてはキャリングハンドルが右に傾いて溶接されているが、これはキャリングハンドルで銃を持った際に、200発ベルトのアモボックスに自分の足がからまないようにとの処置である。また、銃身交換が簡単に行え、熱くなった銃身もこのキャリングハンドルを持てば石綿パッドも不要で楽々に交換ができる。実際にこの銃を見ると、このキャリングハンドルの基部は結構華奢な感じがするけど、問題はないらしい。余談ながら、日本の自衛隊仕様ではこのキャリングハンドルは折りたたむことができる。
 また、ガスポートをいじる事によって発射速度を上げる事も可能で、最大で1000発/分の射撃が可能である。
 ミニミ軽機関銃は12人分のライフル兵の火力を持っているといわれ、これからも分隊の支援に大いに役立つ事だろう。