ステアーSSG(SSG69)
性能:

全長      1130mm
銃身長     650mm
重量       4.50kg
使用弾薬 7.62mm×51
装弾数        5


下の写真と資料の1部はAndy太郎さんから情報提供していただきました。ほんとありがとうございます
≦(_ _)≧
 ボルトアクションライフルは第二次大戦まで、歩兵の主力ライフルであったが、第二次大戦後に急速に廃れた。理由は当然ある。ボルトアクションライフルは連射性に当然劣ったため、大戦中に登場した自動ライフルに主役の座を奪われたからだった。補給面からも、大戦中に急速に発達した自動車製造技術がトラックの量産を容易にして、従来の欠点とされていた膨大な弾薬消費量に見合うだけの補給を行なえるようになった面も大きい。

 ただ、急速に廃れたとはいえ完全になくなったわけではない。ボルトアクションライフルはその命中精度のよさからスコープを付けて、狙撃ライフルとして継続して使用されていた。たとえば、ソビエト軍のモシンナガンM1891/30ライフルは、SKS自動ライフル・AK47突撃ライフルに歩兵用ライフルの座を奪われてなお、狙撃ライフル用としては結構長い間使用されていた。ただ、歩兵用ボルトアクションライフルは基本的にオープンサイトで狙うのを前提としており、スコープをつけての射撃は想定した設計とはなっておらず、また、いろいろな部品も精密射撃用としての体裁を欠いていた一面もあった。そのため、戦後の軍用ボルトアクションライフルは最初から狙撃を目的として設計されて軍用に採用される事になった。
 次に述べる、ステアーSSG69も戦後に開発された、最初から狙撃を目的としたライフルだった。

 SSG69とは、Scharfschutzen Gewehr 69の略。ベタ訳せば「69型狙撃兵用ライフル」になる。この銃の特徴は強化プラスチック製銃床を採用した点にある。今では珍しくもないが、木製ストック以外の銃床を採用した狙撃ライフルはこのSSG69が最初だった。プラ製と木製を比較した場合、木製ストックは反動を吸収しやすく、また、保持した際に汗を吸い取って滑りにくいと撃つ側に取っては利点も多い。ただ、木製ストックは曲面加工に結構手間がかかり生産性はあまりよくなかった。狙撃ライフルは大量生産しないからそれは欠点ではないが、一番の欠点は汗を吸い取るように、水分を吸収しやすいために、微妙に膨張・縮小が起こる。ほんのわずかではあるがこれが精密射撃にはかなり影響をあたえる。そのために、最近では木製ストックはあまり好まれない傾向にある。ステアー社がそこまで計算してプラスチックストックを採用したかはわからない。ちなみに、SSG69には木製ストックバージョンもあるにはある。

 ステアーSSG69は他のボルトアクションライフルと比べていくつか違った特徴がある。1つは、機関部と銃身結合部が長い点にある。普通のライフルは薬室の中間あたりで機関部と結合されているが、SSG69は薬室をスッポリ覆うようになっている。結合部分が広いことはガッチリ固定できているから安定して命中精度が良くなるという利点がある。とされる。実際の所はどうなのだろうか?。あとの特徴として、ボルトのロッキングがボルトの後ろについている点にある。普通は前にあるのだが、こう設計した理由はよくわからない。

↑SSG69の珍しい10発弾倉型
 SSG69は上でも書いたように狙撃を目的としているため、初めからスコープ搭載を前提として設計された。ただ、スコープが壊れた時用に、通常の照門照星による射撃もできる。また、スコープが銃の上にデ〜ンと乗っかるために、弾込めは普通のボルトアクションライフルのように上から装填が難しいので、SSG69は下から弾倉を装填するようなかたちになっている。弾倉は5発弾倉と10発弾倉の2種類がある。5発弾倉はリボルバーのように回転して上に装填されるようになっている。こういう仕組みにした理由はよくわからない。10発弾倉は仕組みはわからない。この10発弾倉(上の写真参照)は1つが66ドルと高価な上に埃ですぐに給弾不良を起こすために人気がなく、すぐに生産中止となった。

 SSG69はいくつかの国の対テロ警察部隊で採用されているといわれている。

 言うまでもないが軍用ライフルは競技用ではない。スコープの中のクロスヘアに収まった目標を倒すためにある。自分の心臓の鼓動を抑え、目標に命中させる絶対の信念をもち引きがねを引く。その瞬間のために狙撃ライフルは存在する。


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