CAESAR(カエサル)

全長:        10.0m
車体長:       10.0m
全幅:        2.65m
全高:        2.55m
重量         15.9t
装甲:      ---mm
乗員数:        -名
武装:52口径155mm砲×1
  または39口径155mm砲×1
  (16発搭載)
動力:240馬力ディーゼル
走行性能:最大速度:110km/h
航続距離:   600km
総生産台数:???両

下記文章は一部矢乃崎さんから提供してもらいました。ほんとありがとうございます
≦(_ _)≧
 地上戦闘は火力の大小が大きく左右する。その火力とはストレートにいえば大砲の砲撃力だといえた。実際、大砲の砲撃で敵陣地を叩いてのち地上部隊を突入させるやりかたはナポレオン時代から行われており、今ではその砲撃力はミサイルやロケットも含まれるが、大雑把な点は18世紀末とそうかわらない。実際、ナポレオン最後の戦いであるワーテルローの戦いでは前日の雨で地面がぬかるみとなり大砲の前進が遅れたために攻撃開始が延びて敗因の1つを作った

 上でも書いたように、今ではミサイルやロケットも数多くあるが、それでも大砲が必要な理由としてはコスト面にある。誘導ミサイルは高いものなら1億円以上平気でするし、比較的安価なロケットでも弾自体が推進剤を積むのでムダな重量があり、破壊力とコストの面では砲弾の方が上だといえる。それに使う兵士からすれば、一度発射してしまえばどんな妨害も受けずに高速で直進して狙った所に確実に叩き込めるから、そうした安心感もあるだろう。

 話は前後して、第一次大戦前頃の支援用の野戦大砲は75mmとか105mmとかいうレベルだった。なぜかというと馬で運ぶ関係上大きな大砲は作っても意味がなかった。兵器というのは、たとえばカタログデータがいい悪いとか、使う兵士の感想のよしあしとか、燃費がいい悪いとかあるが、戦場に持っていかないと話にならない。無論、これよりずっと大きい要塞砲とかはあるが、これは固定して砲撃するというのが前提で野戦用ではなかった。馬の頭数を増やせばいいという問題でもなかった。競馬やる人ならわかると思うが、馬は体がでかいので、何十頭で引っ張っても協調がとりにくいし、だいいち直線道路でもないかぎり引っ張るのは無理だった。これが一番の理由だが、馬を増やせば済む問題でもなく、馬を増やせば世話役の人員も増やす必要があったし、そもそも馬というのは生き物だから簡単に量産できるわけでもなかった(生まれてから戦場に送り出すのに平時でも5年かかった)。

 第一次大戦後から大砲のトラックによる牽引がなされてくると、それに準じて大砲の口径も大きくなった。特に第二次大戦後からは馬による牽引がまずなされなくなったが、口径は155mmクラスが主流で大口径化はあまりなされていない。理由としては人力で装填できる限界が155mm砲クラスだからということだろう(弾種にもよるが155mm砲弾はだいたい40kg弱。203mmクラスだと80kgを超える)。

 トラックによる牽引では即座に射撃・撤収が難しい。そのために第二次大戦期から、野砲や榴弾砲は自走砲化がなされていった。ただ、全部を自走砲化にするのは、金持ちのアメリカでも難しいことで、機甲師団などの機動力が重視される部隊には全数装備されているが、歩兵師団となると昔ながらの牽引式も多い。いろいろと不都合があるのは当然で、「では、牽引するトラックにそのまま載せたらどうだろう?」と考えるのは当然の理だったのかもしれない。

 CAESARは(Camion Equipe d’unsysteme d’Artillerie:トラック搭載砲兵システム)の略称でフランスのGIAT社が開発したシステムで、メルセデス・ベンツ社製のウニモグ6×6トラックに155mm砲を搭載した物である。
 特徴は自走砲としては軽量安価な事で、そのままC130輸送機で空輸でき、移動能力も高いので即時展開能力を求められるこれからの戦場においては重宝される能力である。また、牽引砲と違い展開、撤収にかかる時間が短く(1分)、単独での移動能力も高いので機甲部隊の移動にも十分追随する事ができる点も評価できる。
 欠点としては装甲が薄く(乗員キャビンが5.56o弾防御)、砲が剥き出しである為、NBC環境下での使用は出来ない事(今後の戦争で核兵器が使われる事はまずないであろうが・・・)、車体に比して大きな砲を搭載している為、射界が車体正面左右15度しか取れない事、ヘリ空輸は出来ない事が挙げられる。(流石に16tもの重量はヘリには過大すぎるだろう)
 射程は52口径砲と言う事もあり42kmに達する。ただし、弾薬を16発しか搭載していないので弾薬運搬車は必須であろう。また、商用にも使われる車体は信頼性も高く、踏破能力にも定評がある。また、軍用品と違いメンテが簡単であり、予備部品や車体本体の価格が安価であるのも採用の基準であると思われる。(実際軍用にも使われていて定評も高い)


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