3式砲戦車(ホニ3)

全長:        ?.??m
車体長:       5.52m
全幅:        2.33m
全高:        2.39m
重量:  17.0t(全備重量)
装甲:   12mm〜28mm
乗員数:        5名
武装:38口径75mm砲×1
動力:SA12200VD
    170馬力ディーゼル
    V型空冷12気筒
走行性能:最大速度:??km/h
総生産台数:不明
 3式砲戦車は1式自走砲の後継機種である。
 1式自走砲は名前のように動く野砲だったけども、その威力を買われて対戦車任務につくことが多かったといわれる。なにせ、まともにM4シャーマン戦車に対抗できた戦車はこれしかなかったからである。しかし、元々が自走砲だったのを自走対戦車砲として運用するのは多少無理があった。照準器が間接砲撃用しかなく、装甲も前面と前側面しかなかったのである。間接照準器で直接の照準をするのは難しく(優秀な日本戦車兵はそれでもなんとか照準して百発百中の命中率を誇ったともいうけど)、照準はともかく、後ろ半分がガラ空きなのは困った。ようはどんな優秀な兵士でも銃撃には耐えられない。砲撃の直撃だったらどうせ薄いから装甲があろうがなかろうが結果は同じだけども、至近弾での破片やら不意に側面に回りこんだ歩兵による銃撃にも弱いという欠点はどうしようもなかった。自走砲ならば戦線後方から射撃するので別によかったのだろうけども、対戦車戦闘となるとどうしても接近戦になるので、4周の装甲はどうしても欲しかっただろう。
 3式砲戦車はそんな欠点を改修した対戦車自走砲だった。一般に日本軍はフィードバック能力の欠如があげられるけども、これに関しては例外だといえる。ただ、重量制限があったため、前面装甲は50mmから28mmに低下している。まぁ、M4シャーマン戦車の75mm砲の直撃を受けたら50mmだろうが28mmだろうが貫通されるのでそれでも問題はなかったのだろうか。また、間接照準器の他に直接照準器もつけられた。これで、結構サマになる対戦車自走砲は完成した。
 しかし、生産数が少なかった事もあって戦場に送られた3式砲戦車はついになかった。


 3式砲戦車は本格的な対戦車自走砲ではあったが、やはり急造の感はあった。97式中戦車の車体に90式野砲をそのまま乗せていた。90式野砲には殆ど改造が加えられておらずこの野砲の周囲をグルリと装甲を覆っただけなので、やたらと砲塔がデカい。実際、車体の傾斜装甲からはみ出していた。これは車体に弾が命中した場合上に滑って砲塔にもぐりこむ危険があった。しかし元が97式中戦車なので、徹甲弾が当たればすべるまえに貫通してしまうだろうから、問題視されなかったのだろうか。
 また、砲塔があるけども、旋回はできなかった。幅が狭いのでどうしても背高ノッポな印象をうけるけども、似たような性能のドイツの76.2mm搭載対戦車自走砲の全高が2.6mである事を考えればそれなりに低姿勢ではあったともいえよう。


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